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冬の電気代を節約する方法11選!暖房が高い理由と今すぐできる対策

冬の電気代を下げる一番の近道は、「エアコンの設定温度を20℃前後にして、窓の断熱と補助暖房を組み合わせる」ことです。暖房器具を全部やめる必要はありません。資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃に下げるだけで年間53.08kWhの省エネになるとされており、フィルター掃除と組み合わせれば道具代0円で今日から始められます。この記事では暖房器具ごとのコスト比較から、月いくら下がるかの試算手順までまとめました。

「先月と同じ生活なのに請求額が跳ね上がった」——冬に多い悩みですが、原因のほとんどは故障ではなく暖房の稼働時間と外気温です。しかも金額だけを眺めていても、使いすぎなのか単価の値上がりなのかは判別できません。まずは何にいくらかかっているのかを分解して、効果の大きい順に手をつけていきましょう。

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冬の電気代はなぜ夏より高くなるのか

同じエアコンでも、冬のほうが電気代は高くなりやすい構造があります。理由は単純で、外気温と目指す室温の差が夏より大きいからです。夏は外が35℃で室内を28℃にするなら差は7℃ですが、冬は外が3℃で室内を20℃にすると差は17℃。エアコンは空気中の熱を移動させる仕組みなので、この温度差が大きいほど働かなければならず、消費電力が膨らみます。さらに冬は外気そのものに熱が少ないため、熱をかき集める効率も落ちます。「夏と同じ時間しか使っていないのに高い」と感じるのは、体感ではなく機械側の事情です。

暖房は冷房より電力を使う理由

冷房と暖房の消費電力の差は、温度差だけではありません。冬は霜取り運転(デフロスト)が入ります。外気温が低いと室外機に霜が付き、これを溶かすために一時的に暖房を止めて熱を逆流させる動作が挟まる。この間は部屋が暖まらないのに電気を使っています。加えて、冷房は「28℃にする」で済むところ、暖房は床付近が冷えるため設定温度を上げがちで、稼働時間そのものが伸びます。暖房が高いのは使い方が下手だからではなく、冬という条件が不利だから——ここを理解しておくと、闇雲に我慢する方向に走らずに済みます。

暖房以外に増えている電気(給湯・照明・乾燥)

請求額の増加を全部エアコンのせいにすると、対策を打つ場所を間違えます。冬は日照時間が短く、照明を点ける時間が朝夕に伸びます。水道水の温度も下がるため、給湯器がお湯を作るのに使うエネルギーが増える。お風呂の追い焚き回数も自然と増えます。洗濯物が乾かないので浴室乾燥や衣類乾燥機を回す家庭も多いはずです。電気温水器やエコキュートを使っている家なら、給湯の割合はかなり大きくなります。暖房だけを削って我慢しても効果が薄いのは、増えているのが暖房だけではないからです。

まず検針票のkWhを確認する

「跳ね上がった」と感じたら、金額ではなく使用量(kWh)を前月・前年同月と比べてください。金額は電力量単価や燃料費調整額の変動でも動くため、金額だけ見ても使いすぎなのか値上がりなのか判断できません。検針票やマイページには当月・前月・前年同月のkWhが並んでいることが多いので、そこを見ます。前年同月とほぼ同じkWhなのに金額が上がっているなら、原因は単価側。kWh自体が大きく増えているなら、暖房の稼働時間か器具の追加が原因です。ここを切り分けてから対策に進むと、無駄な労力を使わずに済みます。

monocow編集長/処分・片づけ担当
shin_skywalker
僕が冬の請求書を見るとき、最初に見るのは金額じゃなくてkWhの数字ひとつなんですよね。金額は単価で勝手に動くので、比べても何もわからない。前年同月が280kWhで今年が420kWhなら、これは確実に使い方の問題。逆に290kWhなのに金額だけ2割上がっているなら、それは自分ではどうにもならない部分です。ここを混同したまま「暖房を我慢しよう」と決めると、寒い思いをした割に下がらなくて心が折れる。原因が単価側なら、やるべきは節電じゃなくてプランの見直しです。順番を間違えないこと。検針票を3ヶ月分並べる、これだけで打ち手が決まります

暖房器具別・1時間あたりの電気代を比較する

暖房器具は「部屋全体を暖めるもの」と「体を直接暖めるもの」で消費電力の桁が違います。ここを混ぜて考えると判断を誤ります。まずは自分の家にある器具が1時間あたりいくらかかっているのかを把握しましょう。計算はシンプルで、消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)。この式さえ覚えておけば、どんな器具でも自分で計算できます。カタログの「1時間◯円」は前提となる単価が各社バラバラなので、鵜呑みにせず自分の単価で計算し直すのが確実です。

電気代の計算式と電力量単価の調べ方

電力量単価は検針票の「電力量料金」の欄で確認できます。多くのプランは使用量に応じて3段階に分かれており、使えば使うほど単価が上がる仕組みです。冬は使用量が増えて第3段階に入りやすいため、普段より高い単価で計算したほうが実態に近くなります。おおよその単価は「電力量料金の合計 ÷ 使用kWh」で逆算しても構いません。燃料費調整額と再エネ賦課金も加わるので、厳密には請求総額 ÷ kWh のほうが「実際に払っている1kWhあたりの金額」に近くなります。ここで出した数字を、以下の計算すべてに使います。

計算式 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)
0.5kW の器具を1日5時間、単価31円で使う場合
0.5 × 5 × 31 = 約78円/日
単価の調べ方 検針票の「電力量料金」欄/請求総額 ÷ 使用kWh で逆算
注意点 消費電力は運転状況で変動する。カタログ値は目安

暖房器具別コスト比較表

器具ごとの消費電力の傾向は下記のとおりです。ただしエアコンとオイルヒーター、セラミックファンヒーターは運転状況で消費電力が大きく変動するため、金額は必ずお手持ちの機種の取扱説明書やカタログに記載された消費電力で計算し直してください。ここで押さえてほしいのは金額の絶対値ではなく、「部屋を暖める器具」と「体を暖める器具」で桁が違うという事実です。こたつや電気毛布は消費電力が小さく、長時間使ってもコストが伸びにくい。一方でファンヒーター系は電気を熱に変えるだけの仕組みなので、消費電力がそのまま出力になります。

器具 エアコン(暖房)
役割 部屋全体を暖める
消費電力の傾向 立ち上がり時は大きく、室温が安定すると下がる(変動が大きい)
向いている場面 長時間その部屋で過ごす/複数人で使う
器具 こたつ
役割 体(下半身)を直接暖める
消費電力の傾向 小さい。サーモスタットで断続運転するため実消費はさらに下がる
向いている場面 座って過ごす時間が長い/一人〜数人
器具 電気毛布
役割 体を直接暖める
消費電力の傾向 暖房器具の中では最も小さい部類
向いている場面 就寝時/ソファでの読書など動かない時間
器具 ホットカーペット
役割 床面から体を暖める
消費電力の傾向 サイズと面積で変わる。半面運転で下げられる
向いている場面 床座りの生活/子どもの遊びスペース
器具 セラミックファンヒーター
役割 スポット的に温風を出す
消費電力の傾向 大きい。電気をそのまま熱に変えるため出力=消費電力に近い
向いている場面 脱衣所・トイレなど短時間だけ暖めたい場所
器具 オイルヒーター
役割 輻射熱でじんわり部屋を暖める
消費電力の傾向 大きい。設定温度到達後は断続運転になるが立ち上がりが長い
向いている場面 乾燥や風を避けたい寝室/小さな部屋

エアコン+補助暖房の併用が安くなるケース

意外に思われますが、器具を増やしたほうが総額は下がることがあります。理屈はこうです。エアコンの設定温度を23℃から20℃に下げると、その分だけ消費電力が落ちる。下がった3℃分の寒さを、消費電力の小さい電気毛布やこたつで埋める。「大きい電力を減らして、小さい電力を足す」ので差し引きでプラスになるわけです。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、外気温6℃のときにエアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃に下げると、1日9時間・暖房期間169日で年間53.08kWhの省エネになると試算されています(資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約・空調」/2026年8月26日時点)。逆に、エアコンを23℃にしたままこたつも足す使い方は単純な上乗せにしかなりません。

エアコン暖房の電気代を下げる使い方

エアコンは冬の電気代で最も比重の大きい家電です。裏を返せば、ここを1割下げるだけで他のどんな節約より効きます。しかも必要なのは買い替えではなく、設定と手入れの見直しだけ。特にフィルター掃除は道具代ゼロで、公的機関の試算でも省エネ効果が示されている費用対効果の高い対策です。順番としては「フィルター掃除 → 設定温度と風量の見直し → 室外機まわりの確認」。この3つを済ませてから、断熱や器具の入れ替えを考えるのが合理的です。

設定温度と風量・風向きの基本

環境省のウォームビズでは、暖房時の室温は20℃が目安とされています(環境省 デコ活「ウォームビズとは」/2026年8月26日時点)。ここでいう20℃は設定温度ではなく室温なので、温度計を1つ置いて実際の室温を見ながら調整するのが正確です。風向きは下向きが基本。暖かい空気は上へ昇るため、上向きにすると天井付近ばかり暖まって足元が冷えたままになり、結果的に設定温度を上げてしまいます。風量は「自動」にしてください。電気代を惜しんで微風に固定すると、部屋がなかなか暖まらず低出力の運転が延々と続き、かえって総消費電力が増えやすくなります。

フィルター掃除でどれだけ変わるか

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フィルターが目詰まりすると、必要な風量を確保するために余分な電力を使います。資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、フィルターが目詰まりしたエアコン(2.2kW)と清掃した場合を比べると年間31.95kWhの差が出ると試算されています(資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約・空調」/2026年8月26日時点)。自分の電力量単価を掛ければ、年間いくら変わるかがすぐ出ます。作業自体は掃除機でホコリを吸って、汚れがひどければ水洗いして完全に乾かしてから戻すだけ。濡れたまま戻すとカビとニオイの原因になるので、必ず乾かしてください。冬の使用開始前と、シーズン中に月1回を目安にすれば十分です。

つけっぱなしにすべき外出時間の目安

「こまめに消す」が常に正解とは限りません。エアコンは室温を目標まで持ち上げる立ち上がり時に最も電力を使うため、消して部屋が冷え切ってから再起動すると、その立ち上がりコストを毎回払うことになります。ダイキン工業は自社の検証をもとに「30分程度の外出なら1度オフするより“つけっぱなし”のほうが電気代の節約につながる」としています(ダイキン工業「エアコンの電気代を節約する方法」/2026年8月26日時点)。ゴミ出し、近所のコンビニ、子どもの送り迎えは点けたまま。買い物や外食など1時間を超えるなら消す。住宅の断熱性能や機種によって前後しますが、この線引きなら迷いません。

室外機まわりのチェック

見落とされがちですが、エアコン暖房の熱源は室外機が外気から集めています。室外機の吸込口・吹出口を塞ぐと、熱を集める効率が落ちて消費電力が増えます。前に自転車や物置、プランターを置いていないか確認してください。冬特有の要注意点は雪と落ち葉です。積雪地域では吹出口が雪で埋まると運転効率が落ちるうえ、故障の原因にもなります。落ち葉が吸込口に張り付いているケースも珍しくありません。また室外機の下に霜取り運転の排水が溜まって凍ることがあるので、排水経路も塞がないように。掃除は不要ですが、周囲を空けておくだけで違います。

monocow編集長/処分・片づけ担当
shin_skywalker
節電のつもりで風量を「弱」に固定するのが、いちばんやってはいけない設定だと思っています。風量を絞ると一回あたりの消費電力は確かに下がる。でも部屋が20℃に届かないので、エアコンは延々と運転し続けるんですよね。しかも寒いから設定温度を22℃、23℃と上げていく。これで完全に逆転します。風量は「自動」、風向きは下向き——ここだけは触らないでいい。エアコンは目標室温に早く到達させて、あとは省エネ運転に移行させるのが一番安い使い方なんです。副次的に足元の冷えも減るし、設定温度を上げずに済むので乾燥もマシになる。「弱で我慢」より「自動で早く暖めて20℃キープ」のほうが、確実に安く済みます

窓・床の断熱でムダな熱を逃がさない

エアコンの使い方を直したら、次は熱が逃げる出口を塞ぎます。環境省のウォームビズでは住まいの工夫として窓からの熱流出対策が挙げられており、暖房時に家全体のあたたかい空気の約50%は窓から流出するとされています(環境省 デコ活「ウォームビズとは」/2026年8月26日時点)。つまり、どれだけエアコンを効率よく動かしても、窓が無防備なら半分は外に捨てている計算です。壁や床より先に窓。これが断熱の優先順位です。

窓の断熱グッズを費用と効果で比較

窓対策は費用と手間の幅が大きいので、賃貸か持ち家か、どれくらい住むかで選び方が変わります。賃貸で数年住むなら断熱シートと隙間テープ、長く住む持ち家なら内窓という判断が基本になります。断熱シートは水で貼れるタイプなら工具不要で、原状回復もしやすい。隙間テープはサッシの合わせ目や下部の隙間風を止めるもので、地味ですが冷気の流入を直接減らします。内窓(二重窓)は効果が大きい一方、費用も工事も別格です。なお内窓の設置には補助制度が用意されている年度もありますが、内容が毎年変わるため必ず国および自治体の公式サイトで最新情報を確認してください。

方法 窓用断熱シート
手間 窓を掃除して貼るだけ。1窓15〜30分程度
費用の目安 -(商品・サイズにより幅があるため店頭で確認)
向いている人 賃貸・すぐ始めたい人
注意点 結露で剥がれることがある。網入りガラスは熱割れに注意し商品表示を確認
方法 厚手・丈の長いカーテン
手間 掛け替えるだけ。採寸が必要
費用の目安
向いている人 今のカーテンが薄い・丈が短い人
注意点 丈が足りないと下から冷気が落ちてくるため効果が半減する
方法 隙間テープ
手間 サッシの隙間に貼る。10分程度
費用の目安
向いている人 隙間風を感じる古いサッシの家
注意点 厚く貼りすぎると窓の開閉や施錠ができなくなる
方法 内窓(二重窓)
手間 採寸・施工が必要。業者依頼が一般的
費用の目安 -(窓サイズ・枚数で大きく変動するため見積もりで確認)
向いている人 持ち家で長く住む人・寒冷地
注意点 賃貸は原則不可。補助制度は年度で内容が変わるため公式サイトで確認

カーテンは丈と厚みで変わる

カーテンは「厚手にする」だけでは足りません。効くのはです。冷やされた窓ガラスの近くで冷えた空気は下に降りるため、カーテンの裾と床の間に隙間があると、そこから冷気が室内に流れ込みます。掃き出し窓なら床すれすれ、腰高窓なら窓枠より15〜20cm長めにすると、冷気の通り道が塞がれます。左右も同様で、カーテンレールの端から冷気が回り込むため、レールカバーや幅に余裕のあるサイズを選ぶと効果が上がります。厚みについては、裏地付きや断熱裏地のあるタイプが有利。買い替えるなら、厚みより先に採寸を見直してください。

床の冷え対策

足元が寒いと、実際の室温が20℃あっても人は「寒い」と感じて設定温度を上げます。フローリングは熱を奪いやすいので、ラグやカーペットを敷くだけで体感が変わります。効果を上げたいなら、ラグやホットカーペットの下にアルミ断熱マットを1枚挟むのが有効です。ホットカーペットは下向きにも熱を出しており、その熱が床に吸われていく。断熱マットで下方向の熱を反射させれば、同じ設定でも表面が暖かくなり、結果的に弱めの設定で済みます。環境省のウォームビズでも、毛足の長いスリッパやクッション、湯たんぽの活用が住まいの工夫として挙げられています(環境省 デコ活「ウォームビズとは」/2026年8月26日時点)。

投資額の回収を考える目安

断熱グッズは「買って終わり」ではなく、投資として考えると判断しやすくなります。考え方はシンプルで、グッズの購入費 ÷ 1ヶ月あたりの削減見込み額 = 回収にかかる月数。暖房を使うのは年に4〜5ヶ月程度なので、シーズン内で回収したいなら購入費は「月あたり削減額 × 4〜5」に収まる範囲が目安になります。ただし断熱の効果は住宅の構造・窓の枚数・地域で大きく変わり、「何%下がる」と一律に言い切れるものではありません。数千円で済む断熱シートや隙間テープは試す価値が高く、数万円以上の投資は複数シーズン使う前提で判断する——この線引きが現実的です。

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暖房以外で削れる冬の電気代

暖房を突き詰めたら、次は給湯と乾燥です。前述のとおり冬は水道水の温度が下がるため、同じ温度のお湯を作るのに必要なエネルギーが夏より増えます。さらに寒さで入浴時間が延び、追い焚きや浴室乾燥の出番も増える。電気温水器やエコキュートの家庭では、給湯が暖房に次ぐ大きな支出になっていることが少なくありません。ここは我慢ではなく段取りで削れる部分が多く、生活の快適さをほとんど落とさずに効果が出ます。

お風呂・給湯の見直し

最も効くのは追い焚き回数を減らすことです。追い焚きは冷めたお湯を温め直す作業なので、家族がバラバラに入るほど回数が増えます。家族が続けて入るだけで追い焚きの回数が減らせます。間隔が空くなら風呂フタをきちんと閉め、保温シートを浮かべておくと湯温の低下が緩やかになります。シャワーも見直し対象です。シャワーは1分間に一定量のお湯を流し続けるため、時間がそのままコストになります。節水シャワーヘッドに替えるか、頭を洗っている間は止める習慣をつけるだけでも変わります。追い焚き機能の自動保温を長時間つけっぱなしにしていないかも確認してください。

洗濯物の乾燥コスト

冬は部屋干しが乾かないため、浴室乾燥や衣類乾燥機に頼りがちです。ただしこれらは消費電力が大きい部類なので、稼働時間を短くする工夫が効きます。基本は洗濯機の脱水をしっかりかけてから乾燥に回すこと。含んでいる水分が少ないほど乾燥時間は短くなります。全部を機械任せにせず、乾きにくい厚手のものだけ乾燥機に入れ、薄手は室内干しに回すという分け方も有効です。除湿機とサーキュレーターの組み合わせは、浴室乾燥より消費電力が小さいことが多く、部屋の湿度も下がるので結露対策にもなります。どちらが安いかは機種の消費電力で計算すれば判断できます。

トイレ・待機電力・照明

温水洗浄便座は、便座暖房と洗浄水の保温で常時電気を使っています。フタを閉めるだけで便座からの放熱が減ります。便座温度と洗浄水温を「低」または「中」に下げ、長期外出時は節電モードを使ってください。待機電力とLED化については正直に位置づけておきます。1つひとつの効果は小さく、これだけで冬の請求額が目に見えて下がることはありません。ただし年間を通して積み上がる性質のもので、暖房のように季節で消えないぶん、一度対処すればずっと効き続けます。優先順位は暖房・給湯のあと。手が空いたときに使っていない機器のプラグを抜く、電球が切れたらLEDに替える、その程度の温度感で十分です。

服装・室内の工夫で設定温度を1℃下げる

ここまでは機械側の話でしたが、体感温度を上げてしまえば設定温度そのものを下げられます。前述のとおり資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃に下げるだけで年間53.08kWhの差が出ます。着るものと空気の使い方を変えるだけで1℃分の体感を取り戻せるなら、費用対効果は極めて高いと言えます。環境省のウォームビズも「衣」「食」「住」の工夫を軸に、暖房を緩和するライフスタイルを推奨しています。

三つの首を温める

体を効率よく暖めるなら、首・手首・足首の3ヶ所を優先します。この部分は皮膚のすぐ下を太い血管が通っているため、ここを冷やすと冷えた血液が全身を巡り、暖房が効いていても寒く感じます。逆にネックウォーマーや長めの靴下、袖の長いインナーでこの3ヶ所を覆うと、同じ室温でも体感が上がります。環境省のウォームビズでも、マフラー・手袋・レッグウォーマーを活用して「三つの首」をあたためることが挙げられています(環境省 デコ活「ウォームビズとは」/2026年8月26日時点)。ひざ掛けを1枚デスクに置いておくだけでも、下半身の冷えはかなり違います。

加湿で体感温度を上げる

湿度が低いと肌から水分が蒸発し、その気化熱で体が冷えます。同じ20℃でも、乾燥した部屋は寒く感じるということです。ダイキン工業は人にも住まいにもちょうどいい湿度を40〜60%としており(ダイキン工業「エアコンの電気代を節約する方法」/2026年8月26日時点)、環境省のウォームビズでも温度計・湿度計を置いて室内環境を「見える化」することが挙げられています。加湿器がなくても、洗濯物の室内干し、浴室のドアを開けておく、やかんで湯を沸かすといった方法で湿度は上げられます。ただし上げすぎると結露とカビの原因になるため、湿度計を置いて管理してください

空気を循環させる

暖かい空気は天井付近にたまります。エアコンの温度センサーは本体側にあるため、天井付近だけ暖まっていると足元は寒いのに運転が弱まる、という事態が起きます。ここでサーキュレーターや扇風機の出番です。環境省のウォームビズでも、住まいの工夫として扇風機を短時間だけつけて空気を循環させることが挙げられています(環境省 デコ活「ウォームビズとは」/2026年8月26日時点)。使い方は、天井に向けて上向きに風を送り、たまった暖気を壁づたいに降ろすイメージ。人に直接当てると気化熱で寒くなるので、当てないのが鉄則です。サーキュレーターの消費電力はエアコンに比べれば小さく、差し引きで得になりやすい組み合わせです。

monocow編集長/処分・片づけ担当
shin_skywalker
順番が大事だと思っていて、僕は「フィルター掃除 → 窓 → 服装 → 器具の買い替え」の順で手をつけます。理由は費用対効果がこの順に並んでいるから。フィルター掃除は0円なのに資源エネルギー庁の試算で年間31.95kWh分の差が出ているのに、多くの人がここを飛ばして先に新しいヒーターを買いにいくんですよね。それで消費電力の大きい器具が1台増えて、翌月の請求がさらに上がる。よくあるパターンです。窓の断熱シートと隙間テープも数千円の話。数万円の買い物を検討するのは、0円と数千円でできることを全部やってからです。この順番なら、失敗しても失うものが小さい。

それでも高いなら料金プラン・契約を見直す

節電をやり切っても高いなら、原因は使用量ではなく単価側にあります。電気料金は「基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再エネ賦課金」で構成されており、このうち自分でコントロールできるのは基本料金(アンペア)と電力量料金の単価部分です。ここを見直すと、生活を何も変えずに固定費が下がる可能性があります。ただし乗り換えにはリスクもあるので、条件をきちんと確認してから動いてください。

検針票の内訳を読む

検針票やマイページには内訳が載っています。基本料金は契約アンペア(または契約容量)で決まる固定費。電力量料金は使った分の従量課金で、多くは3段階制。燃料費調整額は燃料価格の変動を反映するもので、月ごとに変わります。再エネ賦課金は使用量に比例して加算されます。前年同月とkWhがほぼ同じなのに金額が上がっているなら、上がっているのは燃料費調整額か単価改定です。この場合、いくら節電しても構造的な値上がり分は取り戻せません。内訳を1度読んでおくと、翌月以降も自分で判断できるようになります。

アンペアとプランの見直し

基本料金はアンペア数で決まるため、契約が実態より大きいと毎月払いすぎていることになります。ただし下げすぎるとブレーカーが落ちるので、冬にエアコン・電子レンジ・ドライヤーを同時に使う瞬間を想定して決めてください。冬は暖房で消費電力が跳ね上がる季節なので、安易な引き下げは危険です。なお契約アンペアの区分や変更の可否は電力会社・プランによって異なります。時間帯別プランは、夜間の単価が安い代わりに昼間が高くなる設計。在宅ワークで日中も暖房を使う家庭には不利になりやすく、夜間に給湯や洗濯が集中する家庭には有利です。自分の生活時間帯と照らして選んでください。

補助制度は公式で最新を確認

乗り換え時の注意点は2つ。1つは解約金や違約金の有無で、契約期間の縛りがあるプランでは途中解約に費用がかかることがあります。もう1つは市場連動型プランで、電力市場の価格に単価が連動するため、通常時は安くても市場が高騰した局面で請求額が大きく跳ねるリスクがあります。安さだけで選ばず、単価の決まり方を必ず確認してください。また、省エネ家電への買い替えや断熱改修に対する国・自治体の補助制度は年度ごとに内容も予算も変わり、受付期間が限られていることも多いため、必ずお住まいの自治体および国の公式ページで最新情報を確認してください。この記事では制度名や金額は記載しません。

月いくら下がる?自分の家で試算する手順

最後に、ここまでの対策が自分の家でいくらになるかを積み上げます。使う式は前述のひとつだけ。消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量単価(円/kWh)です。現状と対策後を同じ式で計算し、差を取る。それだけで「月◯円下がる」が出ます。カタログの節約額を眺めるより、自分の使用時間と単価で計算したほうが納得感があり、結果として続きます。

現状の暖房コストを出す

手順は4ステップです。①検針票から電力量単価を出す(請求総額 ÷ 使用kWh でも可)。②使っている暖房器具の消費電力を取扱説明書やカタログ、本体の表示ラベルで確認する。③1日の使用時間を器具ごとに書き出す。④式に入れて1日あたりを出し、30を掛けて月額にする。エアコンは運転状況で消費電力が変動するため、定格消費電力で計算すると実際より高く出ます。あくまで比較用の目安として使い、対策前後を同じ条件で計算することが大事です。絶対値の正確さより、差分が見えることに意味があります。

一人暮らしの例

ワンルームで、夜19時から24時までエアコン暖房を23℃で使っているケースを考えます。対策は3つ。設定温度を20℃に下げ、下がった分を電気毛布で補う。フィルターを掃除する。窓に断熱シートを貼る。設定温度を3℃下げればその分の消費電力が落ち、そこにフィルター掃除の効果が乗ります。増えるのは電気毛布の分だけで、これは消費電力が小さい部類です。一人暮らしは「部屋全体を暖める必要が本当にあるか」を見直すと効果が大きい。寝る時間帯は電気毛布に切り替え、エアコンを止めるだけでも稼働時間が数時間短縮できます。

ファミリーの例

リビングでエアコン、加えてこたつやホットカーペット、寝室に別のヒーターというケース。ファミリーは器具の台数が多いぶん、削れる箇所も多くなります。まず全器具の消費電力と使用時間を書き出すと、想像と実際の順位が違うことが多いはずです。ファミリーで効くのは「同じ部屋に集まる時間を増やして、稼働する部屋を減らすこと」。寝室のヒーターを電気毛布に置き換える、子ども部屋の暖房時間を短くするといった調整が現実的です。ホットカーペットは半面運転を使い、下に断熱マットを敷く。リビングは20℃を目安に、足りない分をこたつとひざ掛けで補います。

効果が大きい順の優先順位

やる価値が高い順に並べると次のとおりです。①エアコンのフィルター掃除(0円・公的試算で効果あり)、②設定温度を室温20℃基準に見直す、③風量を自動・風向きを下向きに直す、④窓の断熱シートと隙間テープ、⑤カーテンの丈を見直す、⑥服装と加湿で体感温度を上げる、⑦サーキュレーターで空気を循環、⑧給湯・追い焚きの見直し、⑨料金プランとアンペアの確認、⑩器具の買い替え・内窓の検討。上から4つまでは今週末に終わる作業で、しかも費用はほぼかかりません。買い替えを検討するのは、この10項目を一通り試したあとで構いません。

冬の電気代に関するよくある質問

Q. エアコンとこたつはどっちが安い?

1時間あたりの電気代だけで比べるなら、消費電力が小さいこたつのほうが安くなります。ただし役割が違うので、単純な置き換えにはなりません。こたつは下半身を暖めるもので、部屋の空気は暖まらないため、上半身が寒いままです。逆にエアコンは部屋全体を暖められますが消費電力は大きい。安く済ませたいなら「エアコンを20℃で回して、足りない分をこたつで補う」併用が現実的です。座って過ごす時間が長い一人暮らしなら、こたつ中心でエアコンを止める時間を作るのが最も安く済みます。

Q. エアコンは24時間つけっぱなしでいい?

すべてのケースで得になるわけではありません。ダイキン工業は「30分程度の外出なら1度オフするより“つけっぱなし”のほうが電気代の節約につながる」としています(ダイキン工業「エアコンの電気代を節約する方法」/2026年8月26日時点)。根拠は立ち上がり時に電力を多く使うためで、短時間なら消して冷やすより維持したほうが有利という考え方です。目安は30分。それを超える外出は消したほうが無難です。就寝中も、電気毛布や布団で寒さをしのげるなら止めたほうが稼働時間を減らせます。

Q. 石油ファンヒーターに替えたほうが安い?

電気代は確実に下がりますが、代わりに灯油代がかかるため「安くなるか」は灯油の価格次第です。灯油は年によって価格の変動が大きく、一律に得とは言えません。判断するなら、機種の燃料消費量(L/h)× 使用時間 × 灯油の1Lあたり単価で計算して比較してください。コスト以上に重要なのは換気です。石油ファンヒーターは燃焼を伴うため、こまめな換気が必須。取扱説明書に記載された換気の頻度を必ず守ってください。灯油の購入・保管・給油の手間も判断材料になります。

Q. オイルヒーターは電気代が高い?

オイルヒーターは電気をそのまま熱に変える方式のため、空気中の熱を移動させるエアコンに比べると、同じ暖かさを得るのに必要な電力が大きくなります。特に立ち上がりが遅く、部屋が暖まるまで高い出力で運転し続けるので、広いリビングをメイン暖房として暖める用途にはコスト面で不利です。向いているのは、風が出ず乾燥しにくい特性を活かせる寝室や、狭い部屋を穏やかに暖めたい場合。使うなら断熱をしっかりして、部屋の広さに合った出力の機種を選び、タイマーで稼働時間を絞るのが前提になります。

Q. 急に2倍になったのは故障?

まずは故障を疑う前に確認する順番があります。①検針票でkWh自体が増えているか(増えていないなら単価側の問題)、②検針日数が前月と同じか(日数が多い月は当然増えます)、③新しく増えた暖房器具はないか、④外気温が例年より低くなかったか。ここまでで説明がつかず、暖房を使っていない時間帯もメーターが速く回っている、エアコンから異音がする、暖まらないのに動き続けているといった症状があれば、メーカーや電力会社に相談してください。冬に2倍程度の増加は、暖房の稼働開始だけでも十分起こり得ます。

monocow編集長/処分・片づけ担当
shin_skywalker
「電気代が高いから暖房を消す」——これだけは選ばないでほしいと思っています。冬の室温を下げすぎることは健康面のリスクにつながりますし、脱衣所やトイレとリビングの温度差は特に危ない。削るべきは室温じゃなくて、ムダに逃げている熱のほうなんですよね。あたたかい空気の約50%は窓から流出するというのが環境省の記載にある数字で、そこを塞がずに設定温度だけ下げるのは、穴の空いたバケツに水を注ぐのをやめるようなものです。室温20℃は守る。その上で窓・服装・循環で埋める。この順番なら我慢はほとんど発生しません。続かない節約は結局意味がないと思っています。

まとめ

冬の電気代が上がるのは、外気温と室温の差が大きく、暖房が構造的に電力を多く使うからです。だからこそ、我慢ではなく「エアコンを効率よく動かす」「熱を逃がさない」「体感温度を上げる」の3方向で攻めるのが正解になります。まずはフィルター掃除と設定の見直しから。どちらも費用0円で、資源エネルギー庁の試算という裏づけがあります。

状況 今日すぐ始めたい・費用をかけたくない
おすすめ フィルター掃除/設定温度を室温20℃基準に/風量は自動・風向きは下向き/室外機まわりを空ける
状況 賃貸で数千円までなら投資できる
おすすめ 窓用断熱シート/隙間テープ/床の断熱マット/丈の長いカーテンへの見直し
状況 暖房を我慢したくない・寒さに弱い
おすすめ エアコン20℃+電気毛布・こたつの併用/三つの首を温める/湿度40〜60%を維持
状況 節電をやり切ってもまだ高い
おすすめ 検針票の内訳を確認/契約アンペアと料金プランの見直し/補助制度は公式サイトで最新を確認

最後に一点だけ。室温を下げすぎる節約は健康を損なうリスクがあるため、室温20℃を守ったうえで、窓の断熱と服装で埋めるという順番を崩さないでください。この記事の数字は資源エネルギー庁・環境省・ダイキン工業の公開情報(いずれも2026年8月26日時点)に基づいており、いずれも一定の試算条件下の値です。料金プランや補助制度は年度で変わるため、契約内容は必ずご自身の検針票と各社・自治体の公式ページで確認してください。

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