
液漏れ電池の正しい捨て方・処分・掃除方法は?手で触ってしまった時の対処方なども紹介
気づいたら電池が液漏れしていた――そんな経験はありませんか?使いかけの乾電池やボタン電池を長期間放置すると、内部の液体が漏れ出し、機器の故障や人体への悪影響を引き起こす可能性があります。特に、誤って手で触れてしまった場合は適切な処置が必要です。本記事では、液漏れ電池の正しい処分方法や掃除の仕方、誤って触れてしまった際の対処法について詳しく解説します。安全に処理するためのポイントを押さえ、トラブルを未然に防ぎましょう。
2025年03月18日更新
目次
液漏れ電池の状態とは?
出典;PIXTA
アルカリ電池の場合
アルカリ電池の液漏れは、内部の水酸化カリウムが外部に漏れ出す現象で、強アルカリ性のため非常に危険です。皮膚に触れると化学やけどのリスクがあり、目に入ると失明の恐れもあります。さらに、時間が経つと粉状になり、金属や電子機器を腐食させる可能性があるため注意が必要です。液漏れした電池を処分する際は、素手で触らず、ゴム手袋や保護メガネを着用し、安全に処理しましょう。原因として過放電や逆挿入、長期保管が挙げられるため、適切な使用と管理を心がけることが重要です。液漏れのリスクを知り、適切に対処することで、買取査定時にも良好な状態を保つことができるでしょう。
マンガン電池の場合
マンガン乾電池の液漏れは、アルカリ乾電池より危険性は低いものの、適切な対処が必要です。電解液には塩化亜鉛の水溶液が含まれ、弱酸性のため強い腐食性はありませんが、皮膚や目に刺激を与える可能性があります。特に、目や粘膜に付着すると悪影響を及ぼすため注意が必要です。液漏れの原因として過放電や逆挿入、ショートなどが挙げられ、アルカリ乾電池と混ぜて使用すると破裂のリスクが高まるため避けましょう。処理する際は、防水性の手袋を着用し、ティッシュペーパーで慎重に拭き取るのが安全です。万が一皮膚に付着した場合は、すぐに大量の清水で洗い流すことが大切です。適切な処理を行い、安全に買取や廃棄を進めましょう。
電池が液漏れする原因
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使用中・使用後の液漏れ
未使用の電池でも液漏れが発生する可能性があり、主な原因は長期保管や不適切な環境によるものです。特に、高温多湿の場所や金属類と一緒に保管すると、電池内部に負担がかかり液漏れのリスクが高まります。これを防ぐためには、10~25℃の涼しく乾燥した場所で保管し、30℃以上の高温や湿気の多い環境を避けることが重要です。また、未使用の電池と使いかけの電池は分けて保管し、使用推奨期限を過ぎたものは使わないようにしましょう。さらに、落下や衝撃を避けることで、電池内部の劣化を防ぐことができます。これらのポイントを守れば、未使用の電池も安全に保管でき、買取時のコンディションも良好に保つことが可能です。
未使用での液漏れ
未使用の電池でも液漏れが発生する可能性があるため、適切な保管が重要です。主な原因は長期保管や不適切な環境であり、特に高温多湿の場所や金属類と一緒に保管することでリスクが高まります。これを防ぐためには、10~25℃の涼しく乾燥した場所に保管し、30℃以上の高温や湿気の多い環境を避けることが大切です。また、ネックレスや鍵、コインなどの金属類と一緒に保管しないようにしましょう。
さらに、使用推奨期限を確認し、期限を過ぎた電池は使用しないこと、未使用と使いかけの電池を分けて保管することも液漏れ防止につながります。電池に強い衝撃を与えないよう注意し、落下を避けることも重要です。これらのポイントを守ることで、未使用の電池を安全に長期保管でき、機器への影響や買取時のコンディション維持にも役立ちます。
液漏れ電池の正しい捨て方・処分方法
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防水性の手袋、保護メガネ、マスクを身に付ける
液漏れした電池を安全に処分するためには、適切な保護具の着用が不可欠です。まず、防水性の手袋を装着し、皮膚への直接接触を防ぐことが重要です。さらに、保護メガネで目を守り、マスクを着用して有害な蒸気の吸入を防ぎましょう。その後、液漏れした電池をビニール袋に入れて密閉し、自治体の指定する方法に従って廃棄します。電池は「有害ごみ」または「資源ごみ」として分類されることが多いですが、自治体によって異なるため事前確認が必要です。処理が終わったら、手をよく洗い、使用した保護具も適切に処分しましょう。適切な対処を行うことで、安全かつ環境に配慮した処分が可能となり、買取査定時にも問題を防ぐことができます。
液漏れした電池を外す
液漏れした電池を安全に取り外すには、慎重な対応が必要です。まず、防水性の手袋と保護メガネを着用し、作業前に換気を確保しましょう。電池を取り外す際は、無理に引っ張らず、ゆっくり慎重に行うことが重要です。特に、結晶化が進行している場合は固着している可能性があるため、破損を避けながら慎重に扱いましょう。
取り外した電池は、ショートを防ぐために両極(プラス・マイナス)に絶縁テープを貼るのが安全です。その後、ビニール袋に密閉し、自治体の指示に従って適切に処分します。また、機器内部に液が流れ込んでいる場合は、腐食が進む恐れがあるため、メーカーや販売店に相談することをおすすめします。適切な処理を行うことで、機器の保護や買取時のトラブル防止にもつながります。
電池を処理する
電池の適切な処理は、安全性と環境保護のために不可欠です。電池の種類によって処理方法が異なるため、適切な方法を守ることが重要です。
アルカリ乾電池・マンガン乾電池・コイン形リチウム電池は、端子部分に絶縁テープを貼り、自治体のルールに従って廃棄します。ボタン電池(アルカリ・酸化銀・空気亜鉛)は、電気店や時計店の「ボタン電池回収缶」で回収可能です。リチウムイオン電池は、端子を絶縁し、小型家電回収ボックスなどで処分しましょう。
また、事業者が排出する電池類は、許可を持つ業者や広域認定業者へ処理を依頼する必要があります。一般ゴミと一緒に捨てると、収集車や処理施設で火災が発生するリスクがあるため、必ず適切な処分方法を守りましょう。自治体ごとに回収ルールが異なるため、事前確認も忘れずに行うことが大切です。
ティッシュペーパーで電解液を拭き取る
ティッシュペーパーは液漏れ電池の処理に使えるものの、注意が必要です。電解液を拭き取る際は、適切な安全対策を行いましょう。まず、防水性の手袋・保護メガネ・マスクを着用し、直接触れるのを防ぎます。
ティッシュを使う際は、数枚重ねて電解液をしっかり吸収させることが大切です。その後、水で湿らせた布で拭き取り、残留物を除去します。ただし、ティッシュは電解液に触れると崩れやすく、完全に除去できないため、中性洗剤や水での追加清掃が必要になります。
より安全に処理するには、ティッシュの代わりに綿棒やガーゼ、キッチンペーパーを使用するのも有効です。これらはティッシュより丈夫で吸収力も高く、細かい部分の掃除にも適しています。適切な処理方法を選び、安全に対処しましょう。
手や衣服についてしまった時の対処法
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電池の液漏れが手や衣服に付着した場合は、迅速な対応が必要です。手や皮膚に付着した場合は、直ちに大量の水で洗い流し、化学火傷を防ぎます。衣服に付着した場合はすぐに脱ぎ、水で十分にすすいだ後、中性洗剤で手洗いし、変色や劣化が起こる場合は廃棄も検討しましょう。目に入った場合は、絶対に擦らず、大量の清潔な水で洗い流した後、すぐに医師の診断を受けることが重要です。いずれの場合も、違和感が残る場合は医療機関を受診し、安全を最優先に対処しましょう。
電池の液漏れ予防方法
電池を逆向きにセットしない
電池を機器に正しく装着することは、安全性と機器の性能維持に不可欠です。逆向きにセットすると、内部で異常なガスが発生し、破裂や液漏れのリスクが高まる可能性があります。特に、3個以上の電池を使用する機器では、1つの電池が逆挿入されても動作することがあり、気づかないまま機器の性能が低下したり故障を引き起こしたりする危険性があります。正しく装着するためには、機器の電池室に表示された⊕⊖マークを確認し、向きを合わせてセットしましょう。特に単4形電池は、マイナス側を先に入れ、プラス側を後からセットするのが安全です。定期的に電池の状態と向きを点検することで、逆挿入によるトラブルを未然に防ぎ、機器を長持ちさせることができます。
新品と古い電池を混ぜて使わない
新品と古い電池を混ぜて使用すると、性能低下や安全性のリスクが高まるため避けるべきです。異なる容量の電池を組み合わせると、古い電池に過度の負担がかかり、液漏れや破裂の危険性が増大します。また、新しい電池の性能が十分に発揮されず、機器の使用時間が短くなったり、古い電池が過放電状態になり寿命が著しく縮んだりすることもあります。安全に使用するためには、電池交換時は同じ種類の新品電池をすべて同時に交換することが重要です。また、未使用の電池と使用済みの電池は分けて保管し、購入時期や使用状況が揃った電池をセットで使用することで、トラブルのリスクを軽減し、機器を長持ちさせることができます。
長時間使用しない電池は抜いておく
長期間使用しない機器から電池を取り出すことは、液漏れや機器の損傷を防ぐために重要な対策です。電池を入れたまま放置すると、自然放電による過放電が発生し、液漏れのリスクが高まるだけでなく、機器内部の接点が腐食し、故障の原因となる可能性があります。また、長期保管により電池の性能劣化が進み、十分な電力を供給できなくなることも懸念されます。
電池を取り出した後は、個別にケースへ入れるか、端子部分をテープで絶縁し、金属類との接触を避けるように保管しましょう。また、10~25℃の涼しく乾燥した場所に保管し、半年に一度程度の充電で性能を維持することも重要です。これらの対策を行うことで、電池の寿命を延ばし、機器を安全に保つことができるため、長期間使用しない場合は必ず実践しましょう。
液漏れ電池を正く処分しよう
液漏れした電池は、適切に処理しないと機器の故障や健康被害を引き起こす可能性があります。正しい掃除方法や処分方法を知っておくことで、万が一のトラブルにも落ち着いて対応できるでしょう。また、電池の液漏れを防ぐためには、使用期限を守り、適切な保管方法を心がけることが大切です。もし手で触れてしまった場合は、すぐに適切な処置を行いましょう。日頃から正しい知識を持ち、安全に電池を扱うことで、トラブルを未然に防ぎましょう。